私はアトピー性皮膚炎の完治は難しいと考えています。
歳をかさねてなぜか完治した、海外に引っ越すなどの環境の変化で治ったなどの話はありますが、そのような話はほんとに宝くじに当たったと同じくらいのラッキーな話でしかなく、突然アトピー性皮膚炎が完治するなどはほぼないと思っています。
ですが、症状を良好に保ち、痒くてかきむしってしまうことがない生活にすることは本人の努力次第でできると考えています。
ステロイド剤・抗ヒスタミン剤との上手なつきあい方
私の考える薬との上手なつきあい方は、
塗り薬
ステロイド剤:症状がある場合、医師の指示のもと患部に塗布する。必要以上の使用はしない。
飲み薬
抗ヒスタミン薬(アレグラ、クラリチン):痒みが酷く眠れない、日中の活動に支障がある場合は医師の指示のもと服用する。
です。私自身、今はアトピーで手湿疹があり、冬季に乾燥すると足にアトピーの症状がでるため、塗り薬は常備しており、湿疹のある部分にのみ塗布しています。その他の部位はクリームなどで保湿を丁寧におこないます。
飲み薬に関しては副作用もあり、あまり勧めたくはありませんが、症状のひどく辛い方は医師の指導の下で取り入れてもよいかと思います。
私は20歳の時に脱ステロイドを行い、抗ヒスタミン薬の飲み薬は一切飲んでおりません。
飲み薬も塗り薬も使用には慎重になるべきと思います。医師の指示のもと薬を使用すべきではありますが、自分自身で副作用について知った上で薬は使用することを心からお勧めします。
ステロイド軟膏の副作用
塗布部位の皮膚委縮、多毛、毛細血管拡張・赤ら顔、にきび、皮膚線条、皮膚感染症リスクの増加、酒さ・口囲発疹、(眼瞼の場合)緑内障、ステロイドに対する接触性皮膚炎などがあります。
なぜ薬を使うのに慎重になるべきなのか
私自身の話をします。私は幼少期からアトピーで小さいころからステロイド剤の塗り薬を塗り続けてきました。
中学生のころからは一人で病院へ行き、ステロイド剤の塗り薬(おそらく強めのランク)と抗ヒスタミン剤を処方され毎日患部、と症状のでていない顔に薬を塗り、ヒスタミン剤は毎日1錠かかさずのんでいました。
薬のおかげで見た目上はアトピーと気づく人はいないくらい、普通の肌をしていました。
ですが、中学生、高校生の頃はヒスタミン薬のせいか、日中(特に昼食後)とても眠たく、運動系の部活などはできず帰宅する日々でした。その症状を薬の副作用だと疑う知識は当時の私にはありませんでした。
痒くてかきむしって痛みもある、顔のアトピーで外出したくない等、アトピー性皮膚炎や病気の辛い症状に対して、薬を使用することは私たちの生活を維持するのに必要なことです。
ですが、必要以上に薬を使用してしまったり、副作用を知らずに使用することは、体に害でもあることをわかったうえでアトピーの治療をおこなってほしいと私は思います。
整体師の先生に指摘され脱ステロイド
私が大学に通い始めたころ親がかよっていた整体に一度受診してみることになりました。
そのとき整体師の先生に
「あなたアレルギーの薬をのんでる?肝臓がよわっているよ。薬は飲みすぎると、体に負担になるよ」
「ケーキや甘いものも毎日たべてる?その生活はアトピーやアレルギーによくないよ。やめましょう」
私はいままで他の病院に通院していて、そのようなことを一度もいわれたことがなく、とても衝撃を受けたことを覚えています。アトピー性皮膚炎の症状はほぼでておりませんでしたが、二十歳前後とは思えないくらい相当私の顔色がわるかったのでしょう。
皮膚科の病院の先生に処方されるがまま薬を飲んで塗って、知識のなかった私はとくに疑問におもうことがなかったのです。でも毎日体がだるかったり、顔色が悪い。肌もだんだん薄く弱く年相応ではなくなっている実感がありました。
そして、その日を境にアトピーとステロイド剤、抗ヒスタミン剤についてとにかく調べ、私は脱ステロイドを選択しました。
脱ステロイド 人生で一番辛かった時期
ステロイド剤を絶ち、今まで薬を飲んで塗って体の中にためこんだ毒素がなくなれば、アトピーは完治する!!そう信じた私は、一気にステロイド剤の使用とヒスタミン薬の服用を中止しました。
その1週間後から全身から浸出液がでて、顔も首も手も湿疹で覆われてしまいました。
浸出液が出るため手には包帯を巻いて通学していましたが、通うことがつらくなり、大学は休学し、毎日家で半身浴と筋トレ、野菜沢山の味噌汁やスープとご飯、お魚という和食中心の食生活を送っていました。
当時は親にもたくさん心配をかけました。でも病院任せではなく、もっとアトピーという病気のこと、薬の副作用のことを理解してほしかったとも思っています。
手湿疹だけはよくならなかった
半年ほどひきこもり自宅療法をがんばったため、顔や体のアトピーは綺麗になり肌も綺麗で顔色が良くなったと友人に言われることもありました。ヒスタミン剤も絶ったため、日中眠たい、体がだるいなどの症状もずいぶん改善されていました。
ですが手湿疹だけは治ることはなく、手の甲に寝ているときに掻いた引っかき傷があったり、指にジュクジュクした湿疹はいつもある状態でした。
季節の変わり目や花粉の飛ぶ春は顔、首、間接に湿疹がでることもありました。でもステロイド剤に頼ることはしませんでした。
人生2度目のアトピー大悪化 マクロビオテックの食生活を行う
就職し、仕事もプライベートも忙しくなり、食生活も睡眠時間もコントロールが難しくなった途端アトピーの症状が大悪化しました。
出勤するもの辛く、仕事にも集中することが難しくなり藁にもすがるおもいでマクロビオティックの食生活をおこないました。
ですが、仕事のストレスもあったためか、症状が良くなってはぶり返すの繰り返しでした。
結婚・妊娠を機に症状が改善
結婚し仕事は退職。マクロビオテッィクの食事は家族の食生活に合わせたかったため辞めました。
野菜中心の健康によい食事をつくり、出産後は子供が就寝する時間に一緒に就寝する、規則正しい生活を行っていくうちに症状が劇的に改善されました。
結婚してもアトピーがよくならなければステロイド剤に頼ろうと決めていたためステロイド剤も手湿疹が酷いとき、手足をかきむしってしまったときのみ塗ることにしました。
今では、規則正しい生活とステロイド剤に少し頼りながら症状を良好に保つことができています。
生活習慣の改善が一番の薬です
アトピー性皮膚炎は外見に症状がでてしまうこと、かきむしった後は痛みもあり痛み我慢するのにもエネルギーをつかい、仕事や生活に支障がでてしまうこともあります。
それにより生活の質がさがってしまうことは辛いことです。
アトピー性皮膚炎の症状の辛いときはステロイド剤に頼り、症状を改善するために生活習慣に気をつける。
・早寝早起き。良い睡眠習慣を。
・添加物や糖分のとりすぎに気を付け、野菜や発酵食品・季節の食品を摂取する。
・仕事や対人関係による生活のストレスをなるべく排除する。
・適度な運動。運動習慣がない方は適度に外出する。
上記のことを気を付けて生活し、習慣づけると症状は必ずよくなります。私自身が身をもって体験しました。
皆さんが過去の私のように薬に頼りきった生活を送ったり、脱ステロイドによって学校を休学または仕事を休職退職、などとならないよう一人でも多くの方がつらい症状から開放されることを願います。
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